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2012年12月17日月曜日

烏来


チェックアウトぎりぎりまで快適な部屋でゴロゴロして、今日は温泉に入ろうと決めた。目指すは烏来。ここには地下鉄とバスで行けるらしい。温泉地だし宿くらいあるだろうと、無計画なまま地下鉄の駅に向かう。と、途中で市に遭遇したので、もちろん寄り道。そこで台湾ラップを発見したので、迷わず購入。肉無しカスタムも受けてくれて、30元とは思えないビッグサイズ!

地下鉄に乗り、淡水線の最終駅・新店に到着。なかなか都会。インフォメーションで聞いた烏来行きのバス乗り場には、長い列が。。タクシー業者が列の人に声をかけ続けているけど、何を言っているかわからない。程無くやってきたバスはすでに満員で、全荷物を携えた僕はどう考えても乗れない。。と、すぐ後ろにもスーツケースのカップルがいて、タクシー業者と話し込んでいる。交渉しているのかな?と思い、賢そうなそのカップルに英語を話せるか聞くと、流暢な返事がかえってきた。タクシー業者は、烏来まで450元でいいと言っているらしい(通常は600元)。悩んでいるカップルに、“じゃ、一緒にどう?”と訪ねると、“そうだね!”と彼氏。かくして短い相乗りで烏来へ。因みにバスなら15元だそうで、3人で割っても10倍の料金・・。でも全員荷物も多いし、ま、いいか。
シンガポール人のそのカップル、彼氏の方は日本最大手銀行のシンガポール支局に勤めているそうで、色々と話しているうちに、15分程で彼等の宿に到着。別れを告げて僕はそのまま烏来ビジターセンターに向かった。が、ビジターセンターでは日英語ともに通じず、そのまま宿のある通りへ進む・・。



この川沿いに露天風呂がある
目についた宿を何件かあたり、最も安かった宿で更に100元安くしてもらって部屋を確保。部屋風呂もついているけど、先ずは川沿いの露天風呂へ。階段を下りて近づくと、たくさんの年配の人達が水着を着て温泉に入っている。若い人は足湯のみ。観察すると、川に面したアウトサイドの浴槽はローカル色が濃そうで、インサイドの浴槽の方がビジターには入りやすそう。なので、先ずはインサイドへ。結構熱めのお湯につかりながらアウトを見ると、川に飛び込んで泳いでいる人もいる。楽しそう・・。
インサイド

川に面したアウトサイド
インサイドで十分温まった後、顔に笑顔を保ちながらアウトの浴槽に向かってみた。10人程の入浴客。スイミングキャップにゴーグルを装着している人もいて、おじさん達はガタイが良い。いつもここで泳いでいるんだろう。
そろ~っと特に注目されることなく入湯し、ポジションをキープ。インサイドのお湯より熱い。。10分程でのぼせそうになったので、そのまま川に飛び込む。冷たい!カレントがきつい!!・・・だって川だから。。
流されながら泳いで、30m程下流の岩場で陸にあがる。楽しい・・!

もう1回、と思ってアウトの浴槽に戻ると、入湯時におばさんの1人が何やら声をかけてきた。“言葉がわかりません”的な表情を返すと、“仕方ないわねぇ”的な表情のおばさん。そのまま浸かること暫く。そろそろのぼせそう、という時に、さっきのおばさんがまた何やら言っている。怒っているわけではなさそうだけど、何かを教えようとしている様子。まわりのみなさんも何だか神妙な顔つき。。
“ごめんなさい、中国語がわかりません”と英語で伝えると、
“ニホンジン?”とおばさん。
“はい”と僕。
ここで浴槽のみなさんが顔を見合った。・・・・・そしてほぼ全員から拍手が起きた。
“・・・?????” 呆気にとられる僕。
おばさんは他のみなさんと笑顔で話している。“あら~、日本の人なの、じゃぁわからなくて当然よね、そっかそっか”みたいな事を言っていた、と思う。
ゼスチャーを交えた説明からすると、ある程度湯船に浸かったら、川に入ってカラダを冷ますのがルールなようだ。それがのぼせるのを防ぐ為なのか、みんなで順番に湯船を楽しむ為なのか、又は湯船を清潔に保つ為なのか、理由まではわからなかったけど、とにかくアドバイスに従って一旦川に入り、また湯船へ。その度にみなさんが笑顔で反応してくれる。僕が日本人とわかって、明らかに嬉しそうなみなさん。
すると、全身タイツ型水着の女の人が英語で、“ここは初めて?”と聞いてきたので、
“台北から今日移動してきたんです。良いとこですね。”と返事すると、それを他のみなさんにも伝えてくれて、更に雰囲気が良くなった。そんな歓迎ムードが嬉しくて、是非伝えたい事が頭に浮かんだ。
“地震の時、台湾の人達がすごく日本を助けてくれました。日本人はみんな感謝しています。”
通訳された僕のメッセージに、浴槽の全員がしみじみと笑顔で頷いてくれたので、気持ちを込めて“謝謝”と重ねた。

川→入湯をもう1ラウンドして帰る時には、みなさんが日本語で“さよなら”と声をかけてくれた。笑顔で手を振り合いながら挨拶。カラダだけでなく、ココロもたくさん温まった。