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2013年2月27日水曜日

Religious Tour

カトマンズにはたくさんの宗教建築物があり、それらの多くが世界遺産登録されている。その中から、昨日は仏教のBaudhanathと、ヒンズー教のPashupatinathを巡ってみた。

Baudhanathにはネパール最大のストゥーパ(仏塔)がある。過去に写真で見た時から、僕の中でのネパールのイメージは、このストゥーパ。予感していたとおりに、その大きくて優しい佇まいに、一目で心を奪われた。










ストゥーパにはたくさんの観光客や、にこやかな僧侶達が参拝に来ていて、周辺の雰囲気には仏教らしい穏やかさがあり、とても居心地が良い。青空とストゥーパ、カラフルな旗のコントラストが美しくて、自然と笑顔になってしまう、そんな光景だった。

ネパールで最も格式の高いヒンズー寺院Pashupatinathは、Baudhanathの程近く。主にシヴァ神を祭るこの寺院は、ネパールのみならず全ヒンズー教徒から深く崇められている場所で、インドのサドゥ達もやってくる。ヒンズー寺院ということで、周囲には牛がたくさんいて、つい先日まで毎日感じていたギラギラとした空気が流れている。
宗教が違うとこんなにも場の雰囲気が変わるものかと、ウロウロ観察していると、青年が近寄って来て、色々と寺院の説明をはじめた。彼は知識豊富で、あからさまな悪質ガイドでもなさそうだったので話を聞いてみると、ここでヒンズー教を学んでいる学生だと言う。一緒に敷地内に入れば、500NPRの正規入場料を、400NPR+彼のガイド付き-にしてくれるらしい。早い話が、小遣い稼ぎ。400を200に値切って交渉は成立し、一般とは違う裏口から入場した。

敷地内には、瞑想場も多くある。
矢継ぎ早に喋り続ける事はさておきw、学生くんの説明は情報量が多く、200NPRの価値は十分にあった。
Pashupatinathは“ネパールのVaranasi”とも例えられ、様々な宗教の僧侶やサドゥ達が訪れ、瞑想や修行に身を投じる場所。そして彼の地同様に敷地内に川が流れ、その川は下流域で実際にガンガーに流入するのだとか。そしてガンガー同様、信者の火葬が川の畔で行われ、僕が行った時にも既に3体の遺体が大きな薪の中で灰になっているところだった。少し上流では、オレンジの布にくるまれた10歳くらいの少年の遺体が、遺族によって川の側で清められていた。彼も暫く後には灰になるのだろう。

火葬を求めて死期を待つ信者が暮らす宿舎がある事、火葬される場所が貧富や位よって明確に分けられている事、女性は火葬には参加出来ない事、などなどの説明を聞きながら、人が燃えている炎の色や匂いがむしろシュールで、その光景をただただ眺めた。

この寺院ではその他様々な宗教行事が催されるそうで、一通りの話を聞いて学生くんとは別れ、その後もすぐに立ち去る気になれなかったので、暫く敷地内で時を過ごした。
ヒンズー教は生にも死にも凄くリアルで、何と言うか、仏教をベースにしている国民からすると、その強烈なパワーに圧倒される。これは、信者にも当てはまると思う。インドの人達の独特な力強さは、宗教によるものが大きいんだなぁ、と、ここに来てより強く実感した。

宗教の違う2カ所の寺院を巡り、その対比に気持ちが追いつかない一日だった。
Pashupatinath